突撃!バケーション2









あの後、呆然としている私に亜久津君がギロリとした
視線を向けてきた。
おおぅ生睨み!
少し踊る心が恨めしい……しかし仕方が無い。
テニプリの中でも結構好きなお方だったし……。


「てめーもだ、何でジッと待ってらんねーんだよ」


「へっ?」


「ちっ、マジでムカつくぜ」


「あらあら仁、ちゃんね此処に来ること知らなかっ
たみたいなのよ?」


「はぁ?」


確かにはぁ?って感じだ。
むしろこの状況にはぁっ?って感じだ。
ふー……。
如何し様、亜久津君に何処の学校に通っているのか聞いて
みるべきだろうか?
聞けば、此処が何処かだけははっきりする。



テニプリ世界なのか。


はたまたソックリ一家なだけなのか。








「……」


ゴキュ
生唾飲んで決意した。



「あの……亜久津君は何処の学校に通ってるの?」



「ぁあ?」



うおぅ……良い反応。予想どうりのガン飛ばしっぶりだ。

ちゃん!うちの仁に興味ありなの?」


「えっ?」


「仁の通ってる学校はね、山吹中学って言うんだけど……
ちゃんも其処に行く?……ほら、引っ越したら学校
転校しなくちゃいけないじゃない?」




ビンゴ!

叫ばなかった自分を褒めてあげたい。
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「やっ山吹ですか……」


何が如何なっているのか……。







そう……。








此処はテニスの王子様の世界みたいだ。













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如何しよう……。



本当にに此処はあのテニスの王子様の世界なのかな?


「……」

出されたお茶をずずっと啜り、ほぅっと息を吐く。






「そうだ!ちゃんのお部屋用意したのよ、見る?」


突然思いついた様で、優希さんが元気良く立ち上がり、
テーブルを回ってこっちにやって来る。

その言葉に、驚きにどっかに飛んでいた思考が帰還した
ものの、急な事に抵抗する間も無く。
グイッと手ほ引かれ、いじけ気味の亜久津君を残して、
なすがままに引っ張られていく。



「ちょっ!転ぶ〜〜〜〜〜〜〜〜」








あぁこれから私はドウナルノデショウカ母上様。






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