考えるのはいつも貴方の事ばかり3










私は帰宅部で、何の部活もしていないから、教室に直行
すると机にへたり込んだ。



まだ人の居ない教室は静かで、私は『この世界』に来た
日の事を思い出しいてた。














+++++





暗いわき道、其処を覗くと……現れたのは、兎耳を頭に
くっ付けた美青年だった。




何時もは無いわき道……暗くて殆んど何も見えない道の先。





そのわき道の先には、何故かポツリとドアが佇んでいて、
異様な空気を放っていた。





「ようこそ」




「はあ……おじゃまします」




間の抜けた返事を返し、気の抜けかけた自分に慌てて
叱咤する。




結果でた言葉は……。


「変人?」



バカ!

自分のバカ!!





正直なこのお口が恨めしい。







「クス、本当に正直な方ですね……」



筒抜けだ。

心の其処まで筒抜けだ!






「えっと……失礼しました帰ります」



急いで踵を返そうとすると、楽しそうに声が掛かった。






「テニスの王子様の世界に行きたくありませんか?」




「はぁっ?!」




突飛な言葉に、勢いを付けて振り返ったのも仕方ない。



こんな事言われて、振り返らずに居れようか。




腐女子




此処で振り返らずに何時振り返ると?


そして……振り返った私を待っていたのは、美青年の華麗
なる営業トークだった。







結果:誘惑に勝てないため信じる事に


そして、入り口だと言うドアを前に約束をさせられる。

「約束をひとつ」



「……?」




「あなたは―――――」




「わかった」



「いいですか?その約束を果たす事が代金ですからね」





元気に頷く私。





「では……この約束の中身の記憶、成立するまで貴方から
夢への橋渡し料としてお預かりして置きますね」


「はぁっ?そしたら果たせないかもしれないじゃんか!」


中身の無い約束。



いったいどうやって果たすというか。



「その時はその時ですよ」




そう言う奴の手で……私はドアの中に押し込められていた。


「約束してくださいね」



「OKOK!頑張るとも」



やけくそになって怒鳴り返した。






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