考えるのはいつも貴方の事ばかり3
私は帰宅部で、何の部活もしていないから、教室に直行
すると机にへたり込んだ。
まだ人の居ない教室は静かで、私は『この世界』に来た
日の事を思い出しいてた。
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暗いわき道、其処を覗くと……現れたのは、兎耳を頭に
くっ付けた美青年だった。
何時もは無いわき道……暗くて殆んど何も見えない道の先。
そのわき道の先には、何故かポツリとドアが佇んでいて、
異様な空気を放っていた。
「ようこそ」
「はあ……おじゃまします」
間の抜けた返事を返し、気の抜けかけた自分に慌てて
叱咤する。
結果でた言葉は……。
「変人?」
バカ!
自分のバカ!!
正直なこのお口が恨めしい。
「クス、本当に正直な方ですね……」
筒抜けだ。
心の其処まで筒抜けだ!
「えっと……失礼しました帰ります」
急いで踵を返そうとすると、楽しそうに声が掛かった。
「テニスの王子様の世界に行きたくありませんか?」
「はぁっ?!」
突飛な言葉に、勢いを付けて振り返ったのも仕方ない。
こんな事言われて、振り返らずに居れようか。
腐女子。
此処で振り返らずに何時振り返ると?
そして……振り返った私を待っていたのは、美青年の華麗
なる営業トークだった。
結果:誘惑に勝てないため信じる事に
そして、入り口だと言うドアを前に約束をさせられる。
「約束をひとつ」
「……?」
「あなたは―――――」
「わかった」
「いいですか?その約束を果たす事が代金ですからね」
元気に頷く私。
「では……この約束の中身の記憶、成立するまで貴方から
夢への橋渡し料としてお預かりして置きますね」
「はぁっ?そしたら果たせないかもしれないじゃんか!」
中身の無い約束。
いったいどうやって果たすというか。
「その時はその時ですよ」
そう言う奴の手で……私はドアの中に押し込められていた。
「約束してくださいね」
「OKOK!頑張るとも」
やけくそになって怒鳴り返した。
