混合夢07

〜二次試験開始〜






豚の丸焼き。


最初のお題のソレを探し森の中を歩いていく
とリドル。

「出てきたら、気絶させて。その場で丸焼き。それで
持って帰る。簡単でしょ?」



「へぇ。出来るの?」



「キツイですよリドルさん」



あくまで冷ややかなリドルは、の横に浮きな
がらあたりを眺めている。


何だか興味を持たれない事にイジケそうなだ。



そんな感じで暫く歩いていると、前方から轟音をたて
てグレイトスタンプが駆けて来た。


はすばやく杖握りなおし、その先をグレイト
スタンプに向けて指す。

「ステューピファイ!」


豚に向けて呪文を放てば、ドシンと音を立てて倒れこ
んだ。






以外とあっけない。

得意げに笑うは、リドルに向かって手を振
り、口笛まで吹きそうな勢いで倒れたグレイトスタン
プへ近づいていく。



その時、茂みの向こうから違うグレイトスタンプが、
猛スードで飛び出して来た。



「なっ?!」

が気が付いた瞬間には、グレイトスタンプ
は地面へ倒れこんでいた。

仰向けのソレはピクリともしない。


隣を見れば、
いつの間に来たのか、遠くに居たはずのリドルは
フワフワと浮き、の隣に立っていた。

「まったく、危なかったね


「うぅぅ」



ニッと笑ったには、大きく(バカ)と書かれている気
がする。


何でリドルは気が付けたのだろうか。

リドルだから・・・。で済む感じはするが。

それにしても、はまったく気が付かなかった
自分に呆れてしまった。



「ありがとう」



ここは素直にお礼を言っておく。



「どういたしまして」



リドルの返事も嫌に素直だ。


でも何か裏でもありそうで、ジーっとリドルへ視線を
送る。



「何?」

を覗き込んでじーっと見てくる。

「べっ別に?」


慌てて顔を反らす。

今の考えに気づいたら、裏がなくても業と何かして来
そうだ。



「・・・・あぁ。・・・お礼ならつけでいいよ?」





(何?その間・・・・!)
「・・・」


真っ黒笑顔で笑ったリドルは、呆然と突っ立っている
をよそに、豚を一瞬でコンガリと焼き上げ、
魔法で浮かした。



「さぁ行こうか?」



「・・・・・」





笑顔のリドルは、まだ固まっているを気にす
る事なく、手を引きスタスタと歩き出す。



後には一匹の倒れたグレイトスタンプだけが残され。


(私のばか〜〜〜〜〜〜!)



心で絶叫中のは、ズルズルとひきずられ試験
会場への道を歩き出した。









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