混合夢05.2

〜試験〜






あれから暫く飛んでいるがまったく進んだ気がしな
い。なんと言ってもこの代わり映えの無い風景。


「実際に体験するとすごーく嫌な感じ」






「・・・。どう言う意味ですか?」


おどろいた。


いつのまにか先頭に来ていたのだ。




「あー・・・。ハンター試験の大変さ?かな」



「そうですか」



信じているのかいないのか、サトツの顔は無表情で何
を考えているのかも分からない。




それに、聞いてみただけで興味がなかったという事も
ありえる。



そんな感じの雰囲気にはあいまいに笑って。




「まだまだ着きませんか?」




「お教えできません」




そっけない。


仕方ない事だ、質問が悪かったのだ。はそう
考え直すと、もう一度サトツに質問した。




「あの、歩いているように見えるのですが、何でそん
なに早く移動できるんですか?」



「・・・・・・・」



サトツは思いっきり黙りこむ。




「では、あなたは何で箒で飛べるんですか?」





「・・・。うはぁ」



質問返しに思わず変な声を上げてしまう。




「同じ事ですよ。多分」

サトツは、の変な声は無視してそう言うと、
まただまって歩き?だした。


「ううううう。質問したい事はまだまだあったのに」



これ以上しつこくしても、迷惑なだけだろう。


((迷惑なのはわかっているけどさぁ))




そうつぶやくにリドルは・・・。



((わかっているならおいかけて質問しようなんて考え
ない事だね))


((なっなんでわかったの!!))



((の考えそうな事ぐらいわかるよ。))


((でも、口の事とか・・・。コンプレックスだったら
聞いたら傷つくかなとか考えて聞かない!って決めてる
よ))


((・・・・・・・・・・・・))


((・・・・・・・・・))



((ごっごめん、リドル。だから無言はやめて、寂しいし・・・))

・------------------------------------------・

詐欺師の塒。



ここからは絶対試験官からはなれてはいけない。



は箒から降りて、サトツの後ろにピッタリと
くっ付いた。


ついでに防御の呪文を知っている全て自分に掛けてヒ
ソカ対策も忘れない。


この後、サトツにトランプが飛んで来るのだ。


自分では避けられないのだからあたっても大丈夫な様
にするしかない。



「ここの湿原の生き物達は、ありとあらゆる方法で獲
物を欺き捕食しようとします。標的をだまして食い物
にする生物達の生態系・・・・・・。詐欺師の塒と呼
ばれるゆえんです。だまされる事のないよう注意深く
しっかりと私のあとをついて来て下さい」



はサトツの説明の間もジーっとヒソカを見
て、トランプと言う名の凶器がいつ来ても良い様に、
サトツの後ろにピッタリと影の如く貼り付いた。


「うそだ!そいつは嘘をついている!」



来た!偽物ばればれ試験官。



「そいつはニセ物だ!試験官じゃない、俺が本当の試験
官だ!!」



唾をとばして叫ぶニセ物がおもいっきりサトツを指差
すと。



「ニセ物!?どう言う事だ!?」



「じゃ、こいつは一体・・・?」



おバカな2人が騙された。



ハゲ忍者とレオリオだ。


「ヌレーメ湿原に生息する人面猿!!人面猿は新鮮な人
肉を好む、しかし手足が長細く非常に力が弱い。そこ
で自ら人に扮し、言葉巧みに人間を資源に連れ込み他
の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!!」


みんな息を呑んでいる。

はサトツにいかにして隠れるかに凝ってい
て、ニセ試験官の話など聞く気はまったくない。


「そいつはハンター試験に集まった受験生を一網打尽
にする気だぞ!!」


来る!!!!


ヒュッ





風がの耳元をとおり抜ける。
なんとも言えない風圧が耳に残った。




「・・・・・」



全員無言。






ニセ試験官はトランプにやられ地面に倒れこむ音だけ
が辺りに鈍く響く。


そっと後ろを振り向くと、トランプが一枚地面に刺さ
っている。


「なっ・・・・・・・」



全部とってないんですか?サトツさん!!!!!!!





は慌ててサトツを見上げ凝視した。



「えっ!」


サトツさんお袖がちょっと破けてらっしゃいません?


私のせい?


原作ではこんな事なかったはず。




顔面蒼白になったに気づいたサチツがチラッ
とだけこちらを向いた。




大丈夫だと言いたいのだろうか。


は慌ててヒソカの方にも視線を向ける。




ニヤっ




「くっく★なるほどなるほど◆」




この隙をついて逃げ出そうとする猿を、目もくれず倒
してしまうヒソカ。


「これで決定☆そっちが本物だね?」




ヒソカがサトツを見た後こちらを見た気がして
は一応睨みつけておく。



ヒソカは好きでも、はっきり言って青い果実認定され
る事だけは避けたかった。









                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif