混合夢04

〜出会い3〜






しばらく経つと、あたりはむさい人たちで溢れ返った。
はなんだか人酔いしてきた気がして、額に手
を当ててふと後ろを振り返った。

ちょうどその瞬間。


(ゴン達だ!)


はキラキラと目を光らせると、物凄い速さで
人の波を潜り抜け、ゴン達の所へと走っていった。



「君たちで405人目だよ」


ちょうどたどり着いたとき、トンパもゴン達の所へ
やってきた所で、うんちくをひろうしている所だった。


「こんにちは」


トンパのうんちくなんて興味が無かったは、
うんざりしながらゴン達に声をかけた。

出来ればトンパとはお近づきしたくなかったけれど、ゴン
達とは早くお近づきになりたかったのだ。


が声をかけると、すぐにゴンが


「こんにちは!」


と声を返してくれ、レオリオもクラピカも驚いたよう
だが、取り合えず挨拶をかえしてくれた。


トンパはやぁ又会ったねなんて言って、は内
心げんなりしたし少量のダメージを受けた。


それに、挨拶は返しても、クラピカは少し気にしてる
感じでを見くる。



「えっと、突然ごめんなさい。同じ年ぐらいの人が来
てうれしくてつい・・・。何だかみんなごっついし」



まさに正直な気持ちである。



レオリオが吹き出す。


「確かに!こんなやつらばっかじゃあ女の子にはツライ
かもな。」


「レオリオ!すまない確かに、女の子一人では寂しかっ
たろう。」


慌てるクラピカにレオリオがまた吹き出し、クラピカが
怒りなんだか楽しくて、ついついも笑って
しまった。


(よし!!!このちょうしで仲良くなるぞーーー!!)

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「私はクラピカだ。よろしく」


「俺はレオリオ」

「俺はゴン!よろしくお姉さん」



「私は、よろしく」


自己紹介を終えた達に、トンパが近寄って来
たその時だった。




「ぎゃぁーーー」


突然叫び声が会場全体に響いた。



「アーラ不思議?腕が消えちゃった★」


知っていた事とはいえ、やっぱり驚いた。


の目に飛び込んで来たヒソカと腕を切られた
男。


の顔は真っ青だ。



ゴン達も驚いて固まっている。


「ちっ・・・。危ない奴が今年もまた来やがった」


トンパが漫画でもおなじみのセリフを言っている。
でも、はまだヒソカを見つめていた。


目が離せないのだ。


((どうしたの?))


リドルが心配して声をかけると、やっとヒソカから目
をはなす事ができた。


((ヒソカがこっち見てた気がして))



((そう、気おつけてね。あいつ変態だろ?))



確かに変態だ。

でも、リドルといれば怖くない。



((うん。でも萌だよ))


((・・・。絶対ヒソカには近づいちゃだめだ
よ))



何故だか寒くもないのにの背中に冷気がただ
よった気がして、そっと後ろを振り返り確かめ、ニッ
コリと笑った。
めちゃくちゃ作り笑顔だ。

黒い笑顔のリドルがいないのに見えるきがする。

((・・・・・。わかったリドル))


完敗である。

・---------------------------------・

「ちっ・・・。アブない奴が今年もまた来やがった」


トンパは冷や汗をたらして、ヒソカを見てつぶやいた。


「44番奇術師ヒソカ。去年合格確実と言われながら、
気に入らない試験官を半殺しにして失格したやつだ」


「そんな奴が今年も堂々とテスト受けれんのかよ!」



レオリオはあごが外れそうになっている・・・。

は場違いにも吹き出しそうになって、コッソ
リ奥歯を噛みしめた。


その間にも話は進んで。

「試験官は毎年かわるんだ・・・。その年の試験官が
合格といえば、悪魔だって合格できるのがハンター試
験さ。奴は去年試験官の他にも20人以上の受験生を再起不能にしている。近寄らねー方がいいぜ」



「他にもヤバイ奴がいっぱいいるからな、俺が教えて
やるぜ」


「うん!」


又もやは笑いの発作がおきそうになって、今
度は咳払いでごまかす。

トンパの言い方を聞いたらまるで自分が善人だが、実
際は悪人(子悪党)である。


咳払いに気が付いたのはゴンだけ、心配そう
に覗き込んで来た。

「大丈夫?」


「ちょっと咽ただけだよ、ありがとうゴン」



「おっと、そんな時はジュースだな。お近づきの印に
飲みなよ」



「ありがとう!」

ゴン達は次々に受け取って、にも差し出され
る。

ジュースに罪はないけど、思いっきりジュースをトン
パに投げつけたいかも・・・。

「はい。あんたももう一本」



「・・・・。もうたくさんあるから・・・」


イライラして缶を突き返ていると、ゴンが缶をあけて
ジュースを口に含んでしまった。


吐き出すのは分かっていても、下剤入りなんか口にす
るのはあまり好ましくない。

((止めるつもりだったのに・・・!!))



((何て言って?本当の事言うの?))


意地悪な笑い顔が見えそうな声だ。


((だって・・・・・・))



ダーーーー



((あっ。出した))


「トンパさん、これ古くなってるよ」


「えぇ!あれ可笑しいな〜〜〜〜?」

慌てるトンパに紅茶缶を突っ返すとこっそり囁いた。


「下剤入りですか?」



「・・・・っ!!!」



「申し訳ない!!!」


今やトンパはここを立ち去りたくて仕方なさそうで、
ソワソワとして挙動不振だ。


「いいよ、そんなに誤んなくて」


「でもオレが最初に飲んでみて良かったよ」


ゴンっ・・・・。

なんて純!!!!!うちのリドルと大違い!


((へぇ〜〜〜〜))










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