「ここにいる8名を、新しくハンターとして認定いたします!」
混合夢17
〜認定証ゲット!〜
受け取ったハンター証を、無造作にポケットに突っ込み、立ち
上がる。
ダンブルドアは今頃如何しているのか、もうすぐ迎えに来ると
言っていたが、ネテロに頼んで此処にもう少し居させてもら
おうか。
はゆっくりと立ち上がると、リドルに視線を送る。
「……っ!」
もちろんだが、声に出してダンブルドアについて考えていた
わけではない。
なのに……なんでこんなに不機嫌なのだ!
は大声で叫びたくなった。
「……リドル?」
「なんだい」
「どうしたの?」
「あぁ……つまらない嫉妬さ」
爽やかな笑みを浮かべ、リドルも立ち上がったが、なんだろうか
……まったく爽やかに見えない。
は慌てて視線をそらし、気分を落ち着けるために深呼吸を
繰り返す。
と……。
その視線の先に、ゴン達が見えた。
「キルアの行った場所を教えてもらう」
ゴンの声が当たりに響く。
命令口調でイルミに詰め寄れるなんて、尊敬物だ。
大きな声で詰め寄っていくが、イルミは無表情でたっている。
猫みたいで可愛らしくもあるが……心の中はどうなのか、
はその表情から何か読み取れはしないかと、無意識のうちに
近づいてった。
リドルは大きく息を吐くと諦めたようで、の後ろを黙って
ついていく。
一人で行かせたら、何をしでかすか、気がきではない。
徐々近寄っていく2人に、イルミ以外の3人は気がつかないようで、
イルミの方に視線が集中している。
イルミだけは一瞬視線を送ってきた。
やはり何を考えているのか、その瞳に感情はみられず、すぐに
視線はゴンへと帰っていく。
はレオリオ達のすぐ後ろに立ち止まって、リドルが居るのを
確認し、ほっと息を吐いた。
この勝手な行動に怒っていないか、はっとしたのだ。
ダンブルドアの事もあって、最近のリドルは黒さ増量中なのだ。
むやみやたらと怒らせるのは危険である。
再び前を向けば、ガッチリとイルミと視線が交わった。
友達宣言をして満足げにしているゴンから、視線を外したイルミ
は、首を傾げた。
ちょっと可愛い。
の感想を聞いたら前の3人は変な目で見てくるだろうが……。
「うしろの4人も同じかい?」
は一瞬のうちに固まった。
「4人!?」
「どういう事だ?」
レオリオとクラピカがさっと後ろを振り返る。
その視線にやっと我に返るが、4人とはなんなのか、もしや……。
自分達も人数に入っているのだろうか!
目の前のレオリオ達とは、また違った理由で、は目を丸くした。
「じゃないか」
我に返ったクラピカが、驚きを隠さずに笑みを浮かべる。
レオリオもニッカリと笑って片手を上げてくる。
「えっと、なんだか取り込み中にごめんなさい」
暗に関係ないですよアピールを送り、全員へと視線を送り、
も笑顔を浮かべる。
乗り切れ!
此処を乗り切ればのんびり出来る!
あと一息でイルミの勘違いも解けるだろう。
「……そう、なんかしてたみたいだし、君も来ると思った」
その場の全員が頭にハテナマークを浮かべたが、イルミはさして
気にする事無く、先を続ける。
「ポドロを助けたのは君達のどっちかじゃないの?」
「何言ってるんだい?」
冷たい声がイルミに向かって放たれた。
リドルは最高の笑みを浮かべ、目だけが鋭くイルミを睨んでいる。
「……」
「……」
2人の視線がバチバチと音をたてる様にはじけあう。
しかし、以外にもあっけなく2人は視線を外し、何事も無かったように
口を開いた。
「ふーん、まあ目的は果たせたんだし、どうでも良いか」
「なら気にしないでくれるかい?」
「そうだね、ただ魔法……」
「おつっと!手が滑ったーーー!」
は勢いつけると、ポケットに入っていた飴玉を、イルミに向けて
投げつけた。
カツン
むなしい音を発てて地面に飴が転がる。
「……何?」
「秘密、秘密です!!」
色んな意味を込め、イルミに視線を送る。
魔法なんて、こんな所で何を言い出すのか!
危ない奴だ。
いろんな意味で……。
そんな間抜けなに、やっと場の空気が元に戻っていく。
「でっ!イルミ!!場所は何処か教えて」
ゴン!!!
ゴンはあらゆる意味で天然素材かもしれない。
はこんな状況にもかかわらず、なんだか和んでくる。
「……、本当に君は……」
リドルに盛大なため息を送られたけど、それも気にならなかった。
とリドル以外はみんなイルミを見つめている。
「……もう一度聞くけど、後ろの2人は同じ気持ち?」
イルミは諦めたようで、話を元に戻す。
その質問に、クラピカとレオリオはハッと我に返り、
力強く頷いた。
イルミがコクリと頷いた。
口にした場所。
其処はククルーマウンテン。
其処にキルアが待っている。
