混合夢13
〜四次試験は順調に〜
「動かないでね、オレの指ナイフより切れるから」
このセリフを聴いた瞬間、は杖を構える。
「さて、こっちのいらないのは」
今だ!
木の上から様子を眺めていたは、用意して置
いた杖を軽く振り、小声で呪文を唱えた。
ビュン
と思いっきり飛んで行ったプレートは、瞬く間に手の中
に収まり、此れで一安心だ。
「簡単!簡単!」
うきうき気分で、呟きを溢せば……呆れた視線が後方か
ら突き刺さる。
「そんなに浮かれて、この後プレートを守るんでしょ?
さっさと移動するよ」
「はーい」
此処は素直に頷き、リドルが取り出した箒に一緒に跨る
と、空の上へと飛び上がった。
+++++
ふよふよと上空を漂いながら、川原の近くへと向かって
いく。
最終日まで其処でキャンプを張るのだ。
本当なら、原作に介入したいと思っていたのだ、が……
リドルの壮絶な黒い笑顔により阻止され、大人しく過ご
す事となったのだった。
確かに、漫画で見た物凄い形相のヒソカとは会いたくも
無かったし、此処は大人しく言う事を聞いている
だが、最終日までの時間、何をして待てば良いのかまっ
たく考えていなかった。
「そうだ、着いたらまず寝る場所の確保して、キャンプ
だと思えば少しは楽しいかな?」
「……まぁがそれでいいなら別に僕は構わな
いけどね」
能天気だな……そう呟くリドルに、楽しさを求めて何が
悪いの?と胸を張る。
張りすぎて、よろけてしまい慌ててリドルにしがみ付く。
「ささやかな楽しみだし良いじゃない」
それでも言い切る。
リドル自身も、暇だと言うのは同意権だ。
まあいいか。
1つ頷くと、川原に向かって箒を下ろしていった。
+++++
川原に着くと、まずは魔法界のテントを呼び出す。
魔法界のテントはまるで一軒の家の様で、入って直ぐに
居間。
個室が2つ。
綺麗に整頓されているシンプルな部屋だ。
中に入って荷物を置き、まずは一休み。
その後、リドルとともにテントから出ると、食料と水の
調達に森の中に入っていく。
「ヒソカと遭遇しないように、深いとこまで行かな
い様にしなくちゃ」
漫画で見た、嫌な顔のヒソカはこの時期だったと思う。
絶対に会いたくなんてない。
「まあ、僕がマグル避けを周りに掛けたから、誰も入っ
て来れないけどね」
「いつ掛けたの!?」
まったく、一緒に休んでいると思っていたのに。
いったい何時の間にそんな魔法を掛けたのだか……。
いつもながらの早業に、簡単の溜め息を溢し、意味も無
くあたりを見渡した。
見たとしても、其れが目で見れる訳無いのだ。
でも見てしまうのだから、自分でも不思議に思う。
その外に出ないように、そう注意するリドルと手を繋ぐ
と、意気揚々と森の奥へと進んでいった。
