混合夢12.2
〜四次試験開始〜
あれから暫く1人で唸っていたが、ふとリドルを見上げると、
顔を覗き込んだ。
「取り合えず、何か案無い?リドル」
陰になった隅に縮こまると、リドルを引き寄せて地べた
に座り込む。
リドルは其れに一瞬顔を顰めると、溜め息を吐いて同じ
様に隣へと腰を下ろしてくれた。
「で?」
そんなリドルに、は詰め寄って答えを促す。
「何かさ……が必死で言うに言えなかったん
だけど」
「何?」
呆れた雰囲気のリドルに、首を傾げ素直に尋ねるが余計
に溜め息を吐かれ、流石のもイラっとして語
気を強めた。
「もう!何なのよ」
「忘れてる?」
「……何を?」
まったく、何を言いたいのか思いつかない。
「僕らってさ、魔法使いでしょ」
「……」
「……」
「ぁあっ!!」
気がついた!大声を上げ、慌てて口元を押さえ込む。
そんな様子に、やっと気がついたのか……とリドルが
肩を竦め、静かに立ち上がった。
「すっかり、魔法で出来る事忘れてたよ」
ボソリと呟くと、もリドルの後に続くように、
慌てて立ち上がる。
「まぁ、らしくて良いんじゃない?」
なんとなく不本意だが、リドルが何だか爽やかな良い
笑顔で言うものだから、は言い返せなかった。
そして――
「3番目、スタート」
合図が掛かり、船から降りる。
「じゃあ、木の上で待ってようか」
リドルに上まで上げてもらい、次々と出て来る受験者達
を上から眺めて198番をじっと待つ。
作戦としては……
実に簡単な事だ。
原作の事を考え、キルアと接触する寸前に198番を呼び
寄せ呪文で呼び寄せる。
絶対に、ハンゾーに拾われる前に取ってしまわなければ。
取られてから呼び寄せると、ハンゾーに不信に思われそ
うだと言う事もある。
が、その結果リドルがハンゾーを記憶喪失にしてしまい
そうだからだ。
最初、リドルは何も関係無く、直ぐにでも呼び寄せ呪文
を使って、不信がられれば記憶を消せ!
などと物騒な発言を溢し、かなり本気の目をしていた。
かなり危険なお方である。
としては断固反対した。
そんな事したら試験がメチャクチャになりそうだ。
話し合って要約落ち着いた結果。
取り合えず198を着ける事にしたのだ。
「よしっ!198番が来た」
198番が船を下船したのを見つけると、早速箒で上空を
飛び、ゆっくりと着けて行く。
暫くすると、その前にはキルアがいて、もうかなりの時
間が過ぎていた。
「暇だなぁ」
後ろからを支える様に跨ったリドルに、もた
れる様に寄りかかった。
「僕も暇だけどね」
それから……
最初は暇が一番だったけれど。
もう三日目、着けているのに騒げないし、かなり疲労し
て来た。
「いい加減どっちか動いて欲しい……」
そう呟いた直後だった。
「……っ!!」
キルアが振り返り、立ち止まった。
「このシーン……あと少しだ」
は、要約この暇から開放される事に、ニマリ
と笑みを浮かべた。
