説教を右から左に流しつつ、まだ人の気配の無い出口を
見て溜め息を溢した。
混合夢11.2
〜とりあえず……仲良くね〜
「まったく、次ぎからは気を付けてくれるよね?」
「はい」
何度目かの頷きにやっと満足したのか、リドルは大きく
頷き、要約を開放してくれた。
しかし、ステレオで質問を浴びせていた変人2人組み
は、待っていましたとばかりに質問を浴びせてくる。
……
……――
「君ってさ、本気?」
「魔法使いか☆」
「そう魔法使い」
さっきから同じ事をぐるぐる話している。
「確かに雰囲気が違うな」
「うんうん、青い果実だ♪」
「もうっ……いい加減にしてよ!!!」
耳に蛸が出来そうだ。
うんざりと目の前のテーブルに突っ伏して、リドルを見
れば……ジーっと2人を睨みつけている。
「うわぁ……」
そんなの呟きなんて誰も聞いてない。
むしろ無視されている。
軽くいじけてみても誰も慰めてくれない。
「ねぇ、君達マグルには理解出来ないかもしれないけど
同じ事聞くなんて馬鹿?」
「……」
「……」
沈黙とにらみ合い。
の胃がキリキリと嫌な音を発てて痛みを訴え
てくる。
「ストォォォォォォォォォップ!!」
慌てて割ってはいると、目の前のヒソカとイルミを見上
げた。
「もう一度言う。私達は異世界の魔法使い。此処には
迷い込んだだけで直ぐに去る。キルアに変な影響を故意
に与えるつもりは無い。イルミの事はばらさない。ヒソ
カの思う青い果実には私はなり得ない」
一つ一つ区切るように言い切って、笑顔を浮かべる。
まるで宣言みたいだが、此れで押し問答を止めたいのだ。
本人はいっぱいいっぱいである。
それを見たイルミとヒソカは不思議そうに顔を傾げた。
さっきから突然叫びだすに、変な生物を見る
様な目を向けてくる。
確かに、自身可笑しいと思っている。
が、此処にいる個性はメンバーの注目をあつめるには
此れくらいしないと無視されるではないか!
「まあ、試験中ぐらい仲良くしない?」
ちらりとリドルにも視線を向け、なんとか喧嘩を売るの
を止めて貰えないかと意思を伝える。
「……そうだね☆魔法って奴を体験させてくれるなら
イイヨ◇面白そうだからね」
ニンマリと笑んでくれたヒソカに、は胸を撫
で下ろす。
イルミはどうだろうか……チラリと見上げ、返事を待つ。
「まあ、そんなに言うなら良いよ」
本当にどうでも良さそうな声音で応えてくれる。
2人とも、さっきまではあんなに五月蝿かったのに嘘み
たいだ。
リドルはどうだろうか。
「そうだね、に害が無いなら許さないでも無
いけど……念のためにもう一度聞く」
リドルは其処で一息置くと、の向こうの2人
を睨んだ。
「誓うか?には害を与えるな」
だけは気が付いた。
この言葉の裏には魔力が働いている。
此処で「はい」と答えれば、其れに縛られるのだ。
「……ああ」
「うん、キルアに変に手を出さないならね」
「良し」
リドルは満足げに頷いた。
「此れでには手が出せない」
ニヤリ
そんな表現がぴったりな笑顔を見せて微笑んだのだった。