何だかピンチな今日この頃。
この殺気の中立つ私は勇者に違いない……。
混合夢11
〜とりあえず……仲良くね〜
「ねぇ、話してくれるよね☆」
ずっと気になってたんだ、そう言って近づいて来るヒソ
カに、無表情にリドルを見つめているイルミ。
極め付けが……。
自身の隣が発信源の殺気だ。
の隣で立ったリドルからは、尋常じゃない程
の殺気が目の前に向かって放たれていた。
標的では無いですら嫌な気分になって来る。
「……君達に教える事なんか何も無い」
底冷えのするような声だ。
しかし、ヒソカもイルミもまったく動じていない様に
には感じたし、ライオンの檻に放たれた鼠に
なった様な気分でそれを観察している自分が一番被害
を受けている様な錯覚に陥った。
「関係無くないんだよね、此れが。キルアに近しい時点でさ……」
今まで黙っていたイルミが口を開くと、可愛らしく首を
かしげた。
和む……。
なんて思う間も無く、ぶわぁっと殺気を広げるリドル。
兎に角、今は其の殺気の被害は隣の自分だけなのだと、
早めに気がついて欲しいだ。
ヒソカもイルミも、誰でもいいから気がついて欲しい。
ジーっと視線を送っても、反応すら返ってこない事にイ
ライラが募ってくる。
此処で怒鳴ったら駄目だ。
誤魔化す事を考えるんだ!!
の脳が急回転で回り出す。
……――――――
――
プスッ
「聞けっお前ら!!私が主人だぁぁぁぁ!!」
訳が分からない。
自分でも何が何だか分からない。
しかし、叫んだのだ。
此処で止める訳にもいかないのだ!
「ほら、私魔女っ子だし!リドルは元闇の帝王で指輪の
精ってわけ。色々あって私とリドルは一心同体だからリ
ドルは此処に居るだけ!むしろ離れられないの!!!」
「「「……」」」
支離滅裂に叫ぶと、呆然と固まる3人を置いて駆け出し
た。
馬鹿やろぉ!
その一言がの脳みその90%を閉めた瞬間だっ
た……。
近くにあったテーブルの上に立つと指を突き上げる。
「質問受け付けますが、殺気は禁止の方向で」
切実な願いをこの一言に混め、我に帰る。
「……」
「あわっ!!テーブルに乗っちゃった!」
慌てて飛び降り、よろけた所にリドルがすっと支えてく
れ、なんとか体制を立て直す事が出来た。
「ありがと」
そう言ってほっと息を吐く。
でも、何だかほっと出来ない事を忘れている気がして、
驚いて瞑っていた目を開ける。
視線を上げれば、ヒソカとイルミも立っていて、怪しく
笑みを浮かべていた。
「試験終了まで時間はまだまだあるからね☆」
「うん、まだ人の気配は遠いみたいだね」
「……そうだね、説教もしなくちゃね」
リドルの声が頭上から降り注ぐのを聞きながら、ポロリ
と涙が零れたけど、此れは心の汗だ!!
変な言い訳をしつつ大きく溜め息をついた。