混合夢10
〜三次試験は闇のなか〜
「ねえ、君の名前聞いてないんだけど」
「・・・あー。です」
「へぇ。・・・・て言うかさ、何でオレの事知って
るわけ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
(早速ピーンチ!)
「あ〜っと、実は私は占い師で・・・」
自分で言っててもかなり嘘臭い。
此処でヒソカに聞いたと言ったら、多分ヒソカは合わ
せてくれるだろう。
しかし!
何を要求されるのか分からないし、万が一知らん顔
されたら・・・・・・・・・・・・。
の考えはこんな感じでまとまった結果。
占い師のふりの方が良い!
となったわけだ。
「ふぅ〜ん・・・・・」
「・・・・」
「まっいいか」
イルミは信じてないのは確かだが、そこにはあまり
興味は無いらしく直ぐに諦めてくれた。
(ほっ・・・取り合えずはOKっと)
+++
「何か此処から暗い道をって事みたいだね」
イルミが立ち止まり指差す向こうには、重厚な扉がど
ーんと存在を主張している。
に言わせれば、ごてごてして趣味の悪い
実用性も無く変な扉。
イルミは興味も無いらしく、無表情に前を見据えている。
(まっくらは嫌だけど今は感謝!!!)
は心の中でガッツポーズを決めると、イルミ
を見上げる。
試験が本格的に始まれば、イルミでも変に聞き出そう
とはしないだろう。
はあからさまにホッとした顔を根性でねじ伏
せると、イルミの袖を引っ張る。
「早く行こう!!」
「・・・?」
さあさあと微笑みを浮べたは、ずんずんと
次の間へと続く扉へと引っ張っていく。
扉の前の看板の内容は・・・・。
「真っ暗な闇の中、手段を選ばずに突き進み次の間へ
と進め。ただし、パートナーと1メートル以上離れた
場合は失格」
読み上げたイルミはひとつ頷くと、の視界
はグルリと半回転した。
「ちょ!!」
慌てて暴れて気づいたのだが、どうやらイルミに俵の
様に担がれているらしい。
突然の出来事にが慌てて暴れるのも無視し、
イルミは扉をがっと押し開けた。
「足手まといは困るから」
「・・・・・ぇぇぇえええええええええええ」
は叫び声を上げた時には、イルミは無言で
走り出していた。
(・・・・・・リドルヘルプミー!!!!)
この時ばかりはリドルに叱られてもいいから来てくれ
と思った瞬間だった。
