気弱な彼女09.3
空回りする自分はなんて滑稽。
(うはぁ)
は自分の手を殴りたい気分になった。
とっさに伸ばした自分の手は、しっかりとフェイタン
の腕をつかんでいる。
その手は緊張で固まって、自分ではもう離せる気がし
ない。
「・・・・あぁ、あのですねフェイタン」
自分でも声がぶるぶるしているのが分かったが、きっ
と黙ってたって何にもならない。自分を叱咤すると、
しっかり大きな声を心がけて口を開く。
「・・・」
無言のフェイタンはかなり怒っている。
「えっと、ご飯・・・・」
「・・・?」
ご飯の言葉に怪訝そうな顔になっているが、怒ってい
る空気は変わる事無く、ひしひしとに伝わっ
て来る。
「ご飯拾ってこようと思って。ぜんぜん役に立てない
からご飯ぐらい用意して待てたらって、それで外に行
ったら迷子になっちゃって・・・・ごめんなさいフェ
イタン」
もう一気に言ってしまった。
下を向いていた顔を上に向けば、そこには・・・・・。
「・・・・・・」
驚きと、呆然とした顔を混ぜた様な顔のレアフェイタ
ンが!
一転、は鼻血の危機に慌てて上を向く。
こんな自分が情けない!
「な・・・。バカね、バカすぎよ。」
我に返ったフェイタンは、バカバカ連発して
を睨み付けた。
慌ててフェイタンの顔を見かえす。
「言い返すことばもありません・・・」
反省。
「またく子供でも分かる事ね、食べ物が落ちてる訳無
いよ」
そのとうりなのだが、流星街なら有りな気がしたの
だ。
だって、まさか普通の場所でそんな物落ちて
るなんて思っていない。
「でも、「でもじゃないね」
思いっきり遮られた。
「物々交換と、買て来たね」
フェイタンの指差した先には大量の食材と、衣服。
それに雑貨類。
「えっと・・・」
「のよ」
「・・・・っありがとう!」
今度こそ、完全に自分を叩きたい!
フェイタンは朝から自分のために服や雑貨まで用意し
てくれたって言うのに。
迷子になって心配掛けた上、自分が拾ってきた物は黄
金色のガラクタ。
「こんなの・・・・」
持っていたそれをジーッと見つめため息をついた。
「何持てるか?」
手を伸ばすフェイタンに手渡す。
「帰り、何もなくって、気になったそれ拾ってきた
の。」
「。コレ多分金ね・・・」
フェイタンは、しげしげとソレを見つめると
を見上げた。
「・・・?」
「・・・・・・・」
「ぇぇぇえええええええ!!!!!!!」
その後、の絶叫と、鼻血が飛び出したのは
言うまでも無い。
