気弱な彼女05.2
あの、水見式から約一月。
やっと形になってきた念能力に、に下された
指令・・・・・・。
「今日さ、ある人と約束してたんだけど、行きたくな
いんだ。だから代わりに行って来てよ★」
「行くってどこですか?」
少し嫌な予感を抱きつつも聞き返す。
「幻影旅団って教えただろ?ソコだよ◆」
楽しそうに笑うヒソカの顔に、はゲンナリ
した。
そんなところに行って、あのちまっこいカワ
イイあの人に「こいつアヤシイネ」
なんて言われたら・・・・・・。
ギャーーーーーー。
今のは聞かなかったと言う事で。
「ちょっと、熱っぽいかな〜〜」
は額を押さえるとヨロヨロとその場に座り込み、
布団を引っ張り出して潜り込んだ。
ばればれの仮病を使ってでも行きたくない。
幻影旅団!!?初めてのお使いは危険でいっぱい!!
こんなお使いを私に与えるのは諦めてヒソカ自身で行
けばいい。
でも・・・・・・。少し。いや、かなり残念かもしれない。
幻影旅団に会って見たかった!!
でもここは身の安全優先。と言う事で、是非にもヒソ
カが行く時に一緒に連れてってもらおう!!。
「♪」
でも、そうは問屋が卸さない。
ヒソカは、声とは裏腹に嫌〜な感じの空気を振りまい
ていて。
何だか、このままだとより危険な気がする。
「いっ・・・・・・行きますぅぅぅぅ」
は布団から這い出ると、荷物をまとめ始めた。
良く考えれば、幻影旅団と会えるのだからラッキーな
気もする。
そう考えればこれも、楽しみに変わるというものだ。
「で、何て言ってくれば良いんですか?」
行くからには無事で帰ってきますとも。
決意も新たに鼻息も荒くなる。
めざせ!!フェイタンとメル友大作戦を頭に描きつつ
色々詰め込んだリュックを背負うと、はヒソ
カに向き直った。
「ん〜とりあえず行かないって言ってくれればイイヨ☆」
簡単そうに言ってくれるが、それだけじゃ危険なので
却下。
「もっと、「ヒソカからの使いか。」と分かって貰え
る感じで」
そう言われると、ヒソカはごそごそとポケット?を探っ
てトランプを一枚取り出した。
「じゃあ、このトランプにボクだって分かるように念
で細工したから、ギリギリになったら使いなよ」
「わかった。ギリギリにならなくても使います」
「クス◆じゃこれ地図だから。いってらっしゃい★」
面白そうに送り出すヒソカに、地図を受け取ると
「行って来ます」
は見えないようにアッカンベーをして、気づ
かれない内にとダッシュで駆け出した。
ええもうマッハで走ってますとも。
しばらくたって、が見えなくなると。
突然笑い出すヒソカ。
ここにが居たら、ヒソカの周りに笑い声のト
グロがぁぁぁあああ。と叫んで木の陰に飛び込んだに
違いない。
クスクス
ああすれば行くとは思ってたけど。
「分かりやすいね◆」
それにしても舌を出して行くなんて可愛いじゃないか
帰ったら・・・・・・クックックックッ。
修行は倍決定だよ★
