気弱な彼女05








あぁ。

やっと、やっとやっと。




やっと水見式にたどり着いたよおっかさ〜〜〜〜〜ん!


は、まるで舞台上のヒロインのようにヨロヨ
ロと倒れこむと、滝のように感動の涙を流して、地面
に縋りついた。



修行は大変どころの騒ぎではなかった。


たいていの夢主にありがちの特殊な体力が
にはほぼ皆無だったのだ。



もともと運動が駄目なせいなのか、の特殊な
体力といえば、なんとかマラソンできるかな?ていど
の持久力。


レオリオ基準で見ても、それ以下だろう。


もともと遅かった走力が、心なしか・・・・・・あれ? なん
だかクラスで一番だったあの子ぐらい?


問題外。




と言うオプションだった。

なんだか、中途半端というか・・・・・・。

向こうの世界なら体育は5かもしれないが、こっちでは・・・・・・。


まあ、無いよりは良し。



と言った感じだったのだ。




まあ、そのかわり、平行して修行していた念の上達が以上に
早かったのが救いだった。


体力も上がったとは思う・・・・・・。








そして、今日はとうとう水見式と相成ったわけだ。



「さあ、そんな事は良いから早く練してみなよ★」


ヒソカにせかされてやっと回想からかえってきたは、
ハッとしてヒソカの持つコップを見つめた。
コップの上には、ハッパがユラユラと揺れている。


「さぁ◇」


コップが岩の上に置かれ準備は完了。



ゴックッ



つばを飲み込み、岩の上に置かれたコップに両手をか
ざした。




・・・・・・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





コップの上の葉っぱがくるくる回って水の中に小さな
物体が浮かんでくる。





極めつけは、水に浮かんだ文字。



萌。




「ぇぇえぇええ! 萌!!?」




ははははははははははは。

何だか笑えてきたのですが。






萌っ!?


てぇぇぇぇえええええええええええ!?


は思わず大絶叫!
(心の声)


でも外見は呆然とコップを見つめ固まったままだったが。





ヒソカは。





「ククク★」





いつもの笑いを口元に浮かべて、楽しそうにコップの
中を覗き込んでいた。




えっ!?
何だか特質系ゲットだぜ!!なですが、はっきり
言ってそれ所でございません。


クククククククククククク♪



ヘルプ!ヘルプミー!!!!



結構長かったこの修行で、はじめの頃よりもヒソカに対し
ての発作が出なくなっただが、さすがにこの長い
笑い声には、木の陰へと逃げ込みたくなってしまった。



声を絵に出来るなら今この笑い声はトグロをまいてヒソカ
の周りをぐるぐると回っているに違いない!!




しかし、こうしていても中々話は進まないのだ。

ここは勇気を持ってヒソカに声をかけるべきだ!


「でっ出来ない。その笑いやめて欲しいなんて言えません!」




ん?何か笑い声が途切れた気が・・・・・・。




「聞こえてるよ◆」



ぎゃっ!!口に出てたなんて、誰の罠!!!


「まあイイケドネ★」



「ゴメンナサイ・・・・・・。で、私はどうすれば?」



「ん〜先ずは、どんな念が良いか水見式の結果を考えなが
ら決める事。あとは、基礎。主に体力をつける事かな☆」


切り替え早いですね・・・・・・。


まあ、そう言っても滲み出す変体オーラは溢れてる状態だ
けれど。



「でも、は本当においしそうダネ♪」




「いえいえいえいえいえいえいえ。まったく青くもなんと
もなく、平凡な石ころですとも!(せめてヒソカの前だけ
でもそうでありたいですょ!!)」






「まぁいいや☆じゃあ今日の修行は向こうの山まで走りな
がら、間に合わなかったら野宿で終わり。そうそう、この
水見式で出てきた石は持っていくと良いよ★」






「・・・・・・はい」



かあさん。今日も野宿決定です。











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