気弱な彼女04








「わっ私!!ピエロが苦手なんです!!!!!!!」




「・・・・・・・・・・・・」




(あっ・・・・・・。私ってば何てこと言ってんのぉーーーーー!)

言ってしまった物は仕方が無い。
慌てて愛想笑いを顔に貼り付けた。

「へぇ・・・・◇」

は冷汗が背中をつたっていくのを感じた。



「ごッごめん無さいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。それはもう
混乱していて何言っちゃってるか解らないアンポンタ
ンの言う戯言ですし!この場に関係無いこと口走っち
ゃってるだけですからあぁぁぁぁぁ」

それはもう力いっぱい、近くの木から鳥が飛び立っていくぐらいに。
大声で捲くし立てた。

(私のバカァ!! ヒソカぜったい怖い事になってるって!)

「なんだ、それなら僕はピエロじゃなくて奇術師だから
怖くないね♪」

意外にも普通に返された返事に思わずキョトンとしてしまう。



何でこうもあっさりなのだろうか、こうもっとピエロじゃねぇ!!
奇術師だぁあ!みたいな事になってしまわないかと考えていたのだ。







「ねっ♪」

ニヤ




(えぇええぇぇぇぇえええ!!ちっちょっとぉぉぉおおおお笑顔が怖いですマジデ)

静かに怒っていたのだろうか?
笑顔が逆に爽やか過ぎて偽者丸出しである。


「♪」




しかし、此処は触れずにスルーするのが賢いと言う物だろう。

「・・・・・・はははは、ソノトウリダト思いますヒソカさん」





いつのまにやらヒソカはの間近に居て。

の顔ぎりぎりに顔を近づけたヒソカはニヤリと笑った。

「なら、話してくれるよね◆」

「えっと、怒ってないのですか?」
聞いてしまった。
此処で怒っていると言われたら如何するつもりだ、自問する。

「話してくれたら・・・・・・ね★」




(そっそれって、話さないとしらね〜ぞって事?)

どうやら、ピエロ発言お気に召していなかったようだ・・・・・・確実に。

「・・・・・・」


は何度目かわからないこの言葉を心で唱えた。


私どうなるの〜!!





・-----------------------------------------・




心を落ち着けてゆっくりと深呼吸すると大分落ち着い
て来た様な気がする。


は普段使わないような脳みそまでフル活用し
て考えた。しかし考えてもどれもコレもいまいちで、
ヒソカのことを怖がっていた理由も、多分ヒソカが聞
きたいと思われるどこから来てどうやって現れたかの
詳しい説明もどう説明していいか解らないというのが
本音だった。


まったく、自身どうしてこうなったのかなんて解
らないのだからしかたない。


とりあずはっきりしていることは嘘はばれるということだ。



「えっ・・・・・・と、まず怖がっていた理由はヒソカの事知ってたから。
失礼にも真上に落ちちゃったから怒って攻撃してくるかと思って・・・」


「ふ〜〜〜ん。それで?」


先を促してくるヒソカには首を傾げながら眉間に皺を寄せて。



「でもヒソカファンとしては複雑で、上乗せ的にパニックしてしま
いました・・・」


最後の方は言っててかなり恥ずかしい。


「まぁ、確かに怖がるだけで逃げ出したら攻撃してたかもね☆」


「・・・・・・」



(やっぱりっ!!)


は心の中だけで絶叫した。
目の前に居る人がヒソカでなくレオリオ達なら冗談で
すみそうだが、このヒソカなら攻撃ぐらいしそうだ。


「でも、逃げなかったでしょ?隠れたけど◆」


「そっそこ? そこがポイントですか?」
なんだろう、この時ばかりは自分じしんに感謝した。
よく逃げなかった!

なんともまあ・・・・・・。


「ん〜それもだけど他にも色々あって連れて帰る事にし
たんだけどね★」


「そっそうなんだ」


かなり気になっただったが、ここはぐっと我
慢してうなずいておく。



「そうそう、は此処に来る前は何をしてたんだい?」



「混乱していた時も少し話したと思いますが・・・・・・。
朝起きたあとマッタリとベットでテレビ見てたんです
よ、そのあと普通にベットから降りて、スリッパ履い
たと思ったと同時に不思議の国のアリス見たいな穴に
落ちてて・・・・・・気が付くとヒソカさんの腕の中に
おったのですよ」



それを聞いたヒソカは何か考えてさも可笑しそうにニ
ヤッと笑ってを怯えさせた。
本人意図してやっているかは謎だけれど・・・・・・。


「じゃあ、ドコから来たかは分かる?」


「あーーー・・・・・・とッッ遠いトコデすょ」


嘘ではない・・・・・・。





「却下♪」

即答で否定されたは、苦笑いでごまかした。

うそでは無いが遠いだけでは納得するはずもない。


「・・・・・・・・・・・・い・・・・・・異世界?」

言ってしまった。

始めにパニックして言った時の話は信じてくれたのだから
信じてくれると願いたい。
まあ、始めの話だけではハンタ世界の他の場所から来たとい
う可能性も考えられたのだけど。
ヒソカなのだ、それとは違うと分かっていたに違いない。




「・・・・・★」




(無言はやめて下さいヒソカさーーーん!)





・---------------------------------------・






「フ〜ン?まあ信じてあげるよ★」


そう言ったヒソカの顔は一生忘れないと思う。

の顔を見てニヤっと笑った顔は絶対何か裏が
ある気がしてならない。


いや無いはずが無い!


でも今考えても仕方が無い事な気がする。それに、余計
なことを言って変な目にあったら、裏だろうが何だろ
うが関係なくなるのだし、とりあえずスルーの方向で。




「まぁ、会った事も無いのに僕の事知ってたのは今は
聞かないであげるよ☆」


「アリガトウゴザイマス」


片言になってしまったに、ヒソカの笑みは深
くなって余計に固まらせた。



その事と、不可思議な笑みを除けばにとって
ここまでの話は上手くいっている。



なによりも、攻撃されていないのだ!


それに、もっと何で知っているかと、問い詰められて
も不思議ではないのに。



そんなの気持ちとは関係なくヒソカは話を進めて行く。


「で、君これからどうするんだい?」


「あっ・・・・・。」


考えていなかった。


「えっと、ハンタ協会にでもいって相談してみたり・・・・」


最後のほうは消え入るような声だ。


「無理だね★」


ガーン


ええ。自分でも理解しておりました。


異世界なんて話、いくらハンタでも信じないだろうし。


ヒソカが信じた?事もにとっては奇跡に思えた。

はガックリと肩を落として明らかに落ち込んで
今にものの字を書き始めそうになる。


そんなの様子を楽しそうに見ていたヒソカは


「じゃあ、僕が面倒見てあげる◆」



「・・・・・。ええぇぇぇぇええええ!!」


そんなまさか。


にとっては予想外なセリフをなんでも無い事
のようにサラッと言って。


「まずは、念を教えてあげるよ♪」


もっと予想外なことをの耳元でつぶやいた。


(えぇぇぇぇぇぇぇ嬉しいけど遠慮したい〜〜〜〜)

は叫んだ。



(どうせなら優しそうなウイングさんとかのがいいょ!!!)




もちろん心の中だけど。










                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif