気弱な彼女26
無事目的地にたどり着くと、フェイタンはに目を会わせ、
随分はっきりした口調で言葉を発した。
「知らない人に着いて行たら駄目ね、優しげな男なんて一番
危険よ、何かあったら大声でワタシを呼ぶね」
言い聞かせようと肩をガシッと捕まれ、は慌てて首を
縦に降ってみせた。
「分かった、約束する」
「本気で約束するか?」
「本気で約束するっ!」
何回か頷いた所で、やっと満足したのか、そっと肩から手を
放して、視線はから外さずヒソカを呼びつけた。
「ささと行くよ」
「・・・分かったよ★」
そう言うと、ヒソカは先に喫茶店に入って行き、フェイタンは
もう一度を振り返って、足早にドアの中に吸い込まれて行った。
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外で待つこと数十分。
だんだんここに居る事に飽きてきたが、挙動不審に辺り
を見渡した時だった。
「すみませんが……」
突然の声に飛び上がるように、振り返った。
振り返るとそこには、ヒョロリとした風貌の男性が立っていた。
長めに伸ばし前髪が、なんとも言えない怪しさをかもし出して
おり、はばれない様に数歩後ろへ下がり、ごくりと唾を
飲み込んだ。
見た目で判断するなんて……自身に呆れるが、なにせ嫌な感じの男
なのだ。
「……っ何か?」
意を決して声を掛ければ、か細い声で返事が返ってきた。
「みっ……道を」
「道ですか?」
なんだ。
は少し拍子抜けして、肩の力を抜き、相手の言葉を待つ。
「ええ、この辺りに喫茶店てありませんか?」
「へっ?」
思わぬ質問に、間抜けな顔をさらすと、思わず聞き返す。
「喫茶店ですか?」
「はい」
即答だ。
即答された。
は、戸惑いながら後ろの喫茶店へと視線を向ける。
「えぇと……。此処も喫茶店で……っ!」
喫茶店から男性へと視線を戻そうとした瞬間だった。
大きなてが、ものすごい速さでの顔を覆いこむ。
その手には何か布が乗っているらしく、ソレが口と鼻を
覆い隠している。
喫茶店の窓にはカーテンがひかれ、こちらが見える様子は無く。
きっと、こんな所で何か有るなんて思ってもいないだろう、
ヒソカとフェイタンは、気がつくことも無さそうだ。
喫茶店のドアはうんともすんとも言ってくれない。
何と言うか、通行人すら通らない。
これは自身で何とかするしかないのだろうか。
「むっ……ムーーーー!」
抵抗といっても、パニックが襲ってきて、如何すれば良いのか、
頭は真っ白だ。
何とか叫ぼうとはしたが……。
叫んだ瞬間。
大きく息を吸い込むと、急速に意識はブラックアウトしていった。
(……フェィタン……ヒソカ……)
