目の前にたどり着いたに、ヒソカは事も無げに口を開いた。
気弱な彼女25
「、久しぶりだね、と言ってもこっちは数日もたってな
いけど◇」
は一瞬耳を疑った。
今の言葉はどういう意味だろうか?
疑問が浮かび上がる。
「ヒソカ?」
恐る恐る口を開けば、ヒソカは一層笑みを深くして笑んだ。
「服が変わってるし、髪も伸びてる。君は行って来たんだろ?」
はっとした。
初めて逢ったあの時の態度。ヒソカはあの時既に私を思い出し
ていたのかもしれない。
「おかえり★」
「えっと・・・ただいまヒソカ」
は苦笑すると、ちょっと気が軽くなった気がした。
フェイタン達との暮らしが楽しくて、でもヒソカを置いて
来ていると思うときゅっと胸が痛んだのものだ。
でも、ヒソカはこうして気にしていない風で、何時もと変わらない。
それに何より、黒いオーラで攻撃して来ない!
うんうんと納得して、此処まで無言だったフェイタンをチラリと見上げてみる。
何で何も言わないのか、そんな軽い気持ちで見上げたのだ。
「……っ!」
かっ顔がぁ!
は目を大きくしてフェイタンを凝視した。
すると、フェイタンはの手をギュッと握り締めて来る。
まるでそれはすがってきている様で、ギュッと握り返した。
それを見て、ヒソカは興味深げに眉を持ち上げて視線を送って
来たが、はすっと視線をそらして置く。
こんな中口を開く勇気を無い!
それを知ってか知らずか、この静寂を破るように声が発された。
「やと分かたね・・・買い物行た時、をナンパした奴はお前だたか」
ギクっとした。
は向こうで子供のヒソカにあった事をフェイタン達には隠していたのだ。
誰かと連絡を取ってるのは知っていたみたいだけど。
視線を上げ、ヒソカの顔は見た瞬間。
は顔を上げた事を思いっきり後悔した。
「へぇ☆じゃあの過保護な保護者様は君だったわけか♪」
此処に二人で現れた時点で予想は出来たけど。
そう付け加えたときの顔は、久しぶりで免疫の落ちていたを
怯えさせるには十分だった。
バチバチバチ
火花が散っているのが、肉眼で見えるようだ。
逃げたい。
大声で笑いながらダッシュで駆け出したい。
がそんな衝動に駆られた瞬間だった。
ヒソカの携帯が鳴り始めたのだ。
「はい◆」
ポケットから取り出すと、ヒソカは何も無かった様に電話に
出る。
暫く黙って向こうの話を聞いていた様だが、ふいに笑みを作る。
と、突き出すようにして電話を差し出した。
「君に電話みたいだよ☆」
「えっ私!?」
わたわた慌てるに、ヒソカがフェイタンを見た。
「じゃない、君にさ★」
「……誰ね?」
フェイタンが訝しげに眉を潜め、ヒソカを睨み付ける。
一瞬の沈黙の後、ヒソカが口を開けた。
「団長さ◇」
ヒソカの楽しげな声がその場に大きく響いた。