〜フェイタンsid〜








気弱な彼女21











ヒソカの使いで来たらしい女を追い詰めたフェイタン
は、何とも言えない感覚を感じていた。



妙にイライラする。




しかも、そいつは本当にヒソカからの使いできている
らしい、いちいち案内するなんて面倒で仕方なかった。


そんな事を思っていた矢先、そいつは足を踏み外して階
段下へ落下していった。



暫く、呆れてその場に立っていたが、仕方がないと考え
直し、フェイタンが階下へ降りようとしたその瞬間。




「……っ」




先ほどまでの違和感が溢れるように強くなり、大事な
記憶が溢れ返ってくるのを感じた。

「何やてるか!またく、どんくさい奴ね」


其れを紛らわせるように当てつけに叫んでやる。


そして……





階下で目にしたその女を見て、呟いた。




「お前……」



「どうしたの?」


ああこの声だ。

妙な感動に言葉が中々出てこない。
会いたかったのだ。


フェイタンはその場で立ち止まるとを凝視した。

「……っ」



息を呑む。


その様子にはクリクリに目を丸めてフェイタ
ンを見つめている。



「どうしたの?フェイタン」



……?」


自分でも声が震えているのが分かるほどにフェイタンは
動揺していた。


「思い出したね…………そう……だだか」




記憶はどんどん溢れていく。


やっと見つけたのだ……。











何かが溶けていく様な、そんな気分でフェイタンは飛び
込んできたを抱きしめた。







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