〜フェイタンsid〜








気弱な彼女20.2











それは突然……。








フェイタンは目の前が真っ暗になった気がした。
急に倒れそうになったは……。








消えてしまったのだ。






「ウソね……」




思わず零れ出た言葉は、其処に居た全員の代弁だったに
違いない。



其れからはみんな大変だった。
クロロは1人静かに落ち込んでいるし、みんなイライラ
していて空気がピリピリしていた。

そして、誰が一番初めに気がついたのか……。




の記憶が消えていっていると言う事に。





「こんなのってないよ」

何時も皆で集まる広場。
マチが悔しそうに呟くのを端の方でパクノダが慰めてい
る。

フェイタンは1人家に向かうと、の使ってい
たベットの上に座って呟いた。



「何処いたか……もう直ぐワタシの記憶も抜け落ちてくね……」


もうみんなの記憶はが居たという事。
名前さえ分からなくなって、顔も……段々分からなくな
ってきていた。



「バカね……ワタシ触るなていたよ」




いつの間にかが居ることが当たり前になって
いたこの家では、1人では静かすぎる。




フェイタンの声は溶けるように、空気に消えていった。








+++++





あれから何年経ったのだろうか。
今、あの時のメンバーと新しい仲間を迎えて幻影旅団と
して活動している。

何回か入れ替わったメンバーだが、一番新しいメンバー
は奇術師モドキ、もといヒソカだ。


今日は新しい仕事の打ち合わせのために全員がホームに
集まる予定になっていた。



しかし、そのヒソカは何時までたっても現れる気配が無
い。
其処に、変な気配が此処の周辺に侵入してきた。

暫くほっておいたが、その気配は明らかにこっちへ向か
っている様だ。


「チッ、ワタシ行てくるよ」

音もたてずにフェイタンが立ち上がる。

悪戯に弄っていた手錠がその場に転がり落ちる。

「勝手に行ってくればいいだろ?」

めんどくさそうにシャルナークが呟いた。
何かにハッキングしている最中らしく、気がちったらしい。


「かてにするね」


そう言うと、フェイタンは今度こそホームを飛び出して
ていった。







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