気弱な彼女14
フェイタンが帰って来た時には、既に旅団メンバーは帰
還した後で、旅団メンバーが来ていた事に気がついたフ
ェイタンは、イライラと足を踏みたらして不機嫌そうに
服の中に顔を埋めた。
「またく、家誰も入れるな言たはずね」
「でも・・・」
「はぁ・・・確かに団長では仕方ないね」
小声で今日の仕事は仕組まれたか?なんて言って、道理
で1人で行かされる訳かと1人納得している。
其処でいったん言葉を区切ると、フェイタンは
の前に回ってきて目を合わせる。
「で・・・何言われたか?」
その問いにしどろもどろになって目を逸らすと、もう一
度強く問われる。
「えっと・・・何て言うか・・・念を教えてくれって」
は、指で服の裾をくちゃくちゃにしながらチ
ラリと部屋の中を見渡す。
はっきり言うが、今フェイタンは物凄い威圧感のある気
を放っている。
自身自分が駆け出して隠れないのが不思議な
ぐらいだ。
ヒソカや色々なもののおかげで免疫力が上がったのだろうか?
しかし今はそんな事悩む暇は皆無だ。
「・・・そうね。其れだけなら別にいいね、ただしワタシ
居ないときは教えるのもメンバーと2人だけで会うのも
禁止よ」
「何「何ででも駄目ね」
思いっきり睨まれ、は慌てて口を閉じる。
「はワタシの所有物言たはずよ?」
物扱い!!!
酷いとも思いつつも、フェイタンなりに自分に懐いてく
れていると思えば気にはならないけれど。
ゆくゆく人に昇格されたい物である。
「わかった、フェイタンが居ない時はなるべ2人きりで
会わない」
なるべくの所でフェイタンの眉がピクリと動くのを見て
慌てて付け足す。
「でも不可抗力は仕方ないでしょ?それに私だって
フェイタンと一緒の方が良いし」
本当にそうだ。
今日も何度フェイタンが居てくれたらと思った事か。
「仕方ないね、不可抗力なら」
まだ少し不満げに表情を硬くしているけれど・・・納得し
てくれた事にほっと息をつくと、早速明日の事を如何す
るか聞いてみた。
「明日?わかたよ、朝ごはん食べたら一緒に行くね」
「良かった。じゃあ今日は早くご飯食べて寝ちゃおうか」
そう言って、2人で台所へと向かっていった。
+++
次の日。
軽く朝ご飯を済ますと2人で家を出た。
今日は天気も良く、雲が切れ切れに風に流されていく。
朝の空気を、胸いっぱいに吸い込んで深呼吸すると、
大きく伸びをした。
「いい天気。此れなら修行日和だね」
雨の中風の中のヒソカの特訓を思い出して、思わずプル
リと振るえ、肩をさする。
それを見たフェイタンが、訝しげにを覗き込
んで来た。
「如何したか? 寒いか?」
「ううん、大丈夫! ちょっと変態師匠の事を思い出し
ただけ」
そう言ってフェイタンの手を勝手に繋ぐと、元気良く
目的地に向かって駆け出した。
「! 反対方向ね!!」
フェイタンの呼び声に急ブレーキをかけ、照れ笑いを
浮かべると、フェイタンが仕方ないねと言う目で
を見上げてきた。
こんな感じで修行第一日目の幕開けである。
