気弱な彼女12.








洗面所から一歩踏み出すと同時に家のドアが軽くノック
された。



「うわぁっ!! はいっはいっ今行きます!」



は過剰に反応してピクリと跳ねると、転がる
様に玄関へ向かった。





+++






心臓は煩く鳴っている、ドアの前で一度立ち止まると大
きく深呼吸してからドアノブへと手を掛け、もう一度ド
アの向こうへと声を掛けた。


「えっと・・・どちら様ですか?」


「此処の家主の知人だが」


やぱり名前は名乗ってくれないけれど、クロロ達なのは
分かっている、は一歩後に下がるとドアを開
け放った。



「はじめまして、フェイタンが帰ってくるまで待たして
もらってもいいかな?」


クロロっぽい子の後に立っていた子がにっこりと笑って
身を乗り出してきた。

それにあわして一歩下がったの脇をクロロが
サッと通り抜けて行く。



「まぁ、ダメとは言わせないが」




「・・・・・・」




が呆然と固まっていると。
後の子達も次々と家の中へと進入してきた。


「それじゃあ、お邪魔します〜」


此れはさっき見を乗り出してきた子。
多分シャルナークだろう少年が軽やかな足取りで通り過
ぎ、次ぎに入って来たのは女の子2人。



「お邪魔します」

「おじゃまします」



次に入って来たのは既によりも身長が高くな
っている少年で大きな足音を立てて部屋の奥へと進んで
いく。

その後からはちょんまげ頭の子がだれた感じで頭の後ろ
に手を組みながら入ってきた。

少し遅れてこれまたよりも背の高い少年がお
辞儀をしてから部屋の中へと入っていく。




「・・・・・・」



それを見送り、もう誰も居ない事が確認できた後も、
は呆然とドアの外を見て固まっていた。


こんな大人数でいったい何を始める気だろうか?


正直このまま開け放したドアの向こうに駆け出してしま
いたい衝動にかられる。
それをぐいっと心の底へと押し込めると、無理やり平静
を装いドアを閉め、部屋の方を振り返った。





「・・・・ァハハハ」


は小さく渇いた笑い声を零し、がっくりと肩
を落とした。





部屋の中には思い思いの場所に座ったり、寄りかかった
りして既にくつろぎ始めている子供達であふれていた。

クロロなんかは椅子の上に足を組んで、大人びた仕草で
手を組んでいるし、他の子も似たり寄ったりだった。

が振り返ると気配を察したのか、その子達の目が一斉にへと向けられた。



「あぁ・・・お茶でも飲みます?」



「コーヒー」

此れはたぶんクロロ。

「じゃあ俺緑茶」

それにノブナガ。


「僕は紅茶で」

シャルナーク。

「俺は要らない」

フランクリン。

「俺も今はいらないぞ」

ウボォーギン。

「私も手伝うわ」
パクノダ
それにマチ。
「私も!」



(ごめんなさい・・・・・・一斉に言われても聞き止められ
ませんでした。 ちなみに遠慮って言葉は無いんで
すね・・・)


は多分マチとパクノダである2人を連れてキ
ッチンへと向かっていった。







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