時を渡る訪問者05.2
市に着くと、以外にも其処はかなりの賑わいで、
はかなりびっくりしてしまった。
「うわぁ・・・」
なじみのある食べ物や道具もあれば、見た事のない物
もあって見ていて飽きない。
それに、売っている人々が全員といってもいいぐらい
美人な事に、はかなり感動していた。
「昨日の金平糖は此処のなんだ」
そう言って指差す方を見てみると、沢山の色に溢れた
平台のある店が見えた。
其処にお菓子屋が有ると思うと、何故か甘い香りまで
して来たように感じる。
「あっちは小物を置いているお店」
小さい屋台の外にも色々ならんでいる。
可愛らしいお店で、若い女の人がおばあちゃんと何か
話して笑っているのが見えた。
「今度行って見る?」
「もちろん」
そんなやり取りを繰り返している内に、全ての店を回
り終える。
「次は・・・」
++++++
次に来た場所は、無い周りを花畑に囲まれた小川で、
静かに人気の無い小鳥の声が偶に聞こえる。
そんな場所だった。
「ここは凄く落ち着くから良く来るんだ、にも見せたくて・・・」
微笑みかけられ赤くなった顔を誤魔化す様に擦ると、
は後の方に立ったリズヴァーンを振り返った。
「私に教えても良かったの?」
「もちろん、だから教えたんだ」
そう言ったリズヴァーンは照れくさそうに笑うと、
近くに在った岩の上に腰を掛ける。
それを見たはその横に座ると、思いっきって
フサフサと草の生えたその場に寝転がった。
と、ふとある事に気がついた。
「リズ?買い物は良かったの!?」
「うん?・・・ああ、鬼の集落を案内するのが目的だ
ったから」
「えっ!」
そう言われ、今日の市での事を思い出す。
確かに今日一日で、集落の市の事はかなり知る事が出
来た。
「全然気がつかなかった」
驚いて目を見開くをリズヴァーンは楽しそう
に見ている。
「気がつかなくても、その方が楽しく此処の事が知れ
るかなって思って思ったんだ」
ハッとした。
「本当!きっと案内って知ってたら道を覚えようとか
そんなのばっかりで、小物の事とか町の人とか、今日
みたいに楽しく知れなかったかも・・・」
「でしょ?」
「うん!!今日凄く楽しめた」
此処に来てからありがとうばっかり言ってるなぁ何て
思いつつ、はリズヴァーンを見上げた。
