時を渡る訪問者01.2
飛び出してきた人を見て、は目がおかしくな
った気がした。
そこに居たのは明らかに見覚えのある人物で、自分の
世界には絶対居ない人。
そこに現れた人達の会話は、の居る木の上ま
では届いてこないので、何がなんだかわからないが、
あまり良い雰囲気ではないのだけは完璧にわかった。
息を呑んで見守っていると、やがて1人は去って行き、
後にはかなり見覚えのある金色の髪をした少年だけが残
った。
よく顔を確認しようと、下を覗き込み身を乗り出す。
後少し。
後少し・・・・。
そんなふうに身を乗り出していく。
もっとよく見ようと枝の先に体重を掛けたその時。
パキ
嫌な音が後ろから聞こえた。
そんな気がして慌てて振り向く。
しかし、こんな体制で慌てて振り返ったは、
後ろを確認する間もなく、枝の上でバランスを崩し
た。
「・・・・・ひっ!」
言葉にならない悲鳴がの頭いっぱいに広がり、
無我夢中で目の前の枝にしがみついた。
