時を渡る訪問者01.






飛び出してきた人を見て、は目がおかしくな
った気がした。



そこに居たのは明らかに見覚えのある人物で、自分の
世界には絶対居ない人。




そこに現れた人達の会話は、の居る木の上ま
では届いてこないので、何がなんだかわからないが、
あまり良い雰囲気ではないのだけは完璧にわかった。





息を呑んで見守っていると、やがて1人は去って行き、
後にはかなり見覚えのある金色の髪をした少年だけが残
った。






よく顔を確認しようと、下を覗き込み身を乗り出す。


後少し。



後少し・・・・。


そんなふうに身を乗り出していく







もっとよく見ようと枝の先に体重を掛けたその時。








パキ






嫌な音が後ろから聞こえた。

そんな気がして慌てて振り向く。






しかし、こんな体制で慌てて振り返ったは、
後ろを確認する間もなく、枝の上でバランスを崩し
た。




「・・・・・ひっ!」


言葉にならない悲鳴がの頭いっぱいに広がり、
無我夢中で目の前の枝にしがみついた。





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