気まぐれ旅行記07






捻挫が無事完治し、やっと外出許可が下りた。

は朝ご飯の後L達を見送ると、早速行動を起
こす事に決め、急いで準備を始める。


「ふふふ、今から行けば学校帰りの月の所に丁度良く着
けるかな?」


洋服のボタンを閉めて、バックを背負って準備完了だ。


「いってきま〜す!」


取り合えず、部屋にいってきますの挨拶をして部屋を出
る。
ドアがオートロックで閉まるのを確認すると、スキップ
でエレベーターへと向かっていった。



++++++






「まぁ…確認しない自分が悪い」


呆然と校門の前で校舎を見上げ、盛大な溜め息を吐いた。


今日は学校は既に終了し、校舎に残った生徒は何処にも
見当たらない。


「……はぁ、馬鹿だなぁ自分」


もう一度口に出して呟くとね余計情けなくなって来る。

この間会った時の制服で、何処の学校かわかったと言え
ば大丈夫かと押しかけたのだが…。

会う約束を付けて置けばよかった。


しかし、こうしてずっとくよくよしていても仕方が無い。

此処に来る前に買ったお礼の品を手に近くのベンチへと
移動する事にした。



携帯をポケットから取り出し、ベンチに腰掛ける。

可能性は低いけれど、せっかく来たのだからメールで暇
か聞くくらい、バチはあたらないだろう。

パチパチとメール画面を開くと早速内容を打ち込んでい
く。


『この間はありがとう。
お礼を渡したいので、今日暇ならお会いしませんか?
               
                


短いが簡潔に送ったメールに不安に思いつつ返信を待つ。



〜〜〜♪


軽快な音楽が鳴り、メールの到着を告げる。

は慌てて携帯を開くと、メールの文面へと目
を通した。



月からの返事も簡潔だった。
『今、学校が終わった所だったんだ。
よかったら今から会う?』


それにすぐさまOKの返事を送るとホッとベンチに寄り
かかった。


〜〜〜♪

返信が来たようだ。

それに対しての返事はこの間会った近くに居ると言う事
で、近くのカフェに居るからとの事だった。


パタンと画面を閉じ。
バックに直す。

は急いで立ち上がるとバックを肩に掛け、
待ち合わせ場所へニヤニヤ笑いをしながら駆け出して
いった。





                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif