気まぐれ旅行記06.






取り合えず暇だった。








は与えられた寝室のベットの上でゴロゴロ転
がり、斜め前のテレビへと目を向けた。



テレビからはニュースが流れている。
美味しい洋食屋の紹介をするニュースリポーターが、満
面の笑みでオムライスを口へと運んでいく。


「・・・・・・お腹すいた」


朝、Lとワタリが来てこのベットから降りようとして、
足の痛みに思いっきりすっ転び、今日は余程の事が無い
かぎりベットで過ごさなければならなくなってしまった
のだ。



これ以上見ていると精神的にも、お腹の泣き声を押さえ
るのも一苦労のため、パチパチとチャンネルを変えていく。

ちょうどその時。




、大人しくしていましたか?」



Lが、ひょっこりとドアを開け顔を出した。
動きが全て可愛らしい。
それに、その手に持った物体に目が輝いた。


「手で食べれる物が良いだろうと思ったので、勝手にサ
ンドイッチをたのんだのですが」



「食べる!!」

即答だ。

グゥ〜っと主張をし続けているお腹をなんとか押さえ込
み、バタバタと手を伸ばす。

「では、こっちのソファーに移動しましょう」


「okok!!」


ワクワクとしたノリで布団を押しのける。



と、すぐさまに止められてしまう。

はっきり言ってその動きの早さに驚きを隠せない。

今部屋の端のソファー前に居たのに、今はベット脇へと・・・。

瞬間移動並みである。


「ダメです」


「じゃあどうやって移動・・・・・・」








「なっ!!」


視界が急にブレ、慌てて近くの物にしがみ付き目をギュ
ッと固く閉じた。


揺れが止まり、ゆっくりと目を開くと・・・。




「ェェェェL!?」


思わずどもるのも仕方が無い。


目の前にはアノLの顔が、今の体勢は・・・世間で言う所
のお姫様抱っこである。


そうこうしている間にもソファーにゆっくりと下ろさ
れ、目の前のテーブルには紅茶のセットとサンドイッチ
が置かれていた。


ついでに沢山のお菓子も・・・。


「私も此処で食べようかと思ったので」


そう言いつつ、既に口へとチョコレートを運んでいるL
が、ペロリと指先を舐め取り、ソファーの上へとしゃが
みこんだ。


も早く食べましょう」


そう言って見上げられれば、それだけでお腹はいっぱい
な気分ではあるが、お腹の方はグルルっと鳴いている。

実に正直と言うか何と言うか・・・。

大きな音をたてられるのも困るため、素直にサンドイッ
チへと手を伸ばした。



ちなみに、そのサンドイッチはかなりの美味だった。







+++++



「ねぇ、此れってホテルの?」


「いえ、ワタリが・・・」


「ぇぇぇええええ!?」







「用意してきたんです」


Lの微妙な間にがっくりと脱力してしまう。



「へぇ・・・でもすっごく美味しかった」


個人な方なら是非にも作り方を聞きたいなぁなんて考え
つつ、食後暫くすると、またお姫様抱っこでベットへと
強制送還されるなのだった。





                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif