気まぐれ旅行記05.






話しているうちに分かったのは、ライトはかなりの正義
感の持ち主で、デスノートの存在さえなければ・・・
はますますそう思った。


一瞬黙り込んだに、ライトは怪訝な顔を浮か
べると、心配そうにの顔を覗き込んだ。



「足が痛む?」


どうやら足の痛みに黙り込んだと思ってくれた様だ。


「一瞬足に力入れちゃって」



苦笑してそう言うと、「力を入れちゃダメじゃないか」
と軽く諭され、は気をつけると素直に頷いた。



話が弾んでいると、時間がたつのも早い物で、あっと言
う間にバスは目的地へと到着した。


手を狩りながらゆっくりとバスから降り、バス運転手に
待たせたことを詫びると、爽やかにお大事にと言って
バスの扉を閉めた。

そして直ぐに次の場所へと去っていく。

それを横目にライトへと顔を向けた。



「家はどっち?」


「此処から50メートルぐらい先の、あのホテルに今は住
んでるの」


「そうか、後少しだね」


本当にあっと言う間にホテルの前にたどり着く。




「連絡先聞いてもいい?お礼もしたいし」


「お礼なんて良いいよ、僕が勝手に申し出ただけだから」


「でもっ」


何だか粘ると逆ナンっぽいな何て思ったけれど、ここで
諦めるなんて考えもつかない。

がもう一度口を開こうとするとそれを遮られ
る。


「ストップ。連絡先は渡しておくよ、でもお礼なんて考
えないで暇な時にでもメールして?」



「えっ!わかった」


何と言って良いのか分からずコクコクと頷くと、満足
したのか、今来たバス停とは逆方向にある帰りのバス停
へと目を向けた。

丁度良く向こうからバスが走ってくる。


ポケットから出したメモ帳に何か書くと、
手に手渡した。


「じゃあ、僕は此処で」



そう言うと、手を振って、今来たバスの方へ向かって駆
け出す。


「今日はありがとう!!」



慌てて大声で叫んだため、あたりの人が何かと振り返り
の方へと顔を向けてくる。


かなり恥ずかしいが、叫んだ手前ライトがバスに乗るま
では見届けなければ。


ライトはもう一度此方を振り返り軽く手を振ってきた。

も、手を在り返すが、今の行動で余計に周り
の視線の数が増えてしまう。



ライトがバスに乗ったのを確認すると、顔を赤くしてホ
テルの中へと駆け込んでいった。





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