気まぐれ旅行記5






ホテルを出て直ぐに、はまずぶらぶらと街の
中を散策して歩いた。

まだ時間は午前だ、まずは自宅をの確認をする事にした。
いって無いのはわかっている。

取り合えず行こうと試みたが、やっぱり見知った物は無
く、道すらわからず、何だか変な気分になってしまった。



「そっか、まあわかってたけどね」


このまま進んでも迷子になるだけだろう、本来の目的
はキラに合う事なのだから、此処で迷子になってしま
う危険はおかせない。


そんな感じではやる事も無く、街中でぶらぶらしながら
雑貨なんかを見て時間を潰し、本などを購入して、早々
に目的地へと出発する事にした。





++++





「確かこのあたりが・・・」


ひとつ角を曲がった先に大きな学校が見えてきた。
普通なら今日は学校があるはずだ、そう考えた
はまずはキラの通う学校の場所を探す事から始めた。
学校終わった所を捕まえよう作戦だ。
作戦と言うには拙いものだけど。


学校の近くの喫茶店に入ったは窓際の席に座
ると学校の方へと目を向ける。


まだ一人も出てこない、まだ下校には早かったようだ。
こんな事もあろうかと購入した本を取り出して開くと、
頼んだ紅茶を一口、ケーキを摘みつつ時間を潰す事にし
た。





それから30分ほど経ったろうか、喫茶店まで聞こえる
チャイムの数分後、バラバラと生徒達が学校から足早
に出て来た。
それを見たは慌てて本を閉じると、会計を済
ませ、喫茶店を飛び出していった。



「やばいやばい、ちょっと本に熱中しすぎちゃった」


そう1人愚痴ると、何気なく校門の前の道へと目を向
け、はこぼれそうなほど目を見開いた。



「・・・キラ!」



こう実際に目の前に現れると何と話せば良いのか・・・
は行き当たりばったりの行動を取った自分に、大きな溜
め息を吐いた。



それから暫く、キラこと夜神 月の後をつけていくと、
見覚えのある建物と大きな画面。


(ああ、此処であの放送が流れるのか)

もちろん関東地区全域に流れたんだけど、丁度漫画の
場面で印象的なシーンだっただけに、キラを見つつ見る
事にはかなり感動していた。



Lのあのセリフ『キラ、必ずお前を探し出して始末す
る!!私が正義だ、また会おうキラ』思い出すだけで
顔がにやけてくる。

はニコニコ顔のまま進んでいると・・・
曲がり角から突然自転車の少年が飛び出してきた。



ドン





「・・・・・・っ!!」



「痛っ!」



地面へとすっ転んでしまったが、なんとか自転車との
衝突は間逃れ、強かに打った腰に手を当てゆっくりと
立ち上がった。


「ちっ! いてえなっ!! 前みて歩けよなぁ!!」


自転車の相手は、自転車を起こし立ち上がると、わき目
もふらずそのままどっかに走り去ってしまった。





「・・・今のって私が悪かった?」


その男の姿を見送り、ぼーっとしていると、後から方を
叩かれる。



「君、大丈夫?」



「へっ?」


我に返り振り返る

その目に飛び込んできたのはなんとあの夜神 月だった。





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