気まぐれ旅行記02.2
あぁ。
何と言うか、このパソコン持って帰りたい。
が、Lが隣でノートパソコンをしている横
で、Lの作業を眺めてもう1時間は経ったろうか。
正直、はだんだん飽きてきた。
何をしているのか分からない上、偶に分かっても、楽
しい事ではなく・・・。
むしろ楽しくない物であったからだ。
「もう寝ます・・・」
そう宣言すると、座っていたソファーに寝転がり、
は深い眠りの中へと落ちていった。
それからどれぐらい経ったのか、は小さな物
音に目が覚めるのを感じた。
「うぅぅぅん」
正直まだ眠い。
そんな、まどろみの中を漂うに、2人の男性
の声が聞こえて来た。
「・・ですが・・・そ・・・」
「わかり・・・・でも・・・・で・・・」
最初は何を言っているかも分からず、子守唄の様に
をいい気分にさせた声だったが。
だんだん意識がはっきりすると、誰の声なのか、何を
話しているのかが分かり始めた。
「わかりましたその様にしておきます」
薄く目をあけると、目の前にLが。一人がけのソファ
ーの上漫画通りの座り方で、何やらワタリさんらし
き人話をしている。
「では、このホテルから移動する手筈を・・。どうか
しましたか?」
「さん目は覚めましたか」
Lは、目が覚めた事に気が付いたようで、顔
を覗き込むと、ワタリの方に目をやった。
「先程も言いましたが、さんです。突然此方
に現れた方です。さん、この人はワタリで
す」
それだけ言うと、自分の役目は終わりとばかりに定
位置に戻り、目の前のケーキに手を伸ばした。
「あのです!よろしくお願いします」
は慌てて飛び起き、ワタリに向かってお辞儀
をした。
そんなに、少し笑みをこぼしたワタリは、手
を差し出す。
「いえ。こちらこそ、よろしくお願いします」
その手をとって握手をしていると、突然携帯が鳴った。
「あ、すみません」
ワタリは急いで携帯に出て、何やら英語で会話をして
いる。
「さん」
Lに呼ばれ振り向けば、ホールケーキの大部分を既に
食したLが、の方を見ていた。
「何んですか?」
「実は、此処を今日中に移動する事になりました」
「はぁ。」
いまいちピンと来ない。
何で自分にそんな事を?
「さんは、此れから如何するんですか?」
そう言われ、はハッとした。
此処が何処なのかも知らなければ、帰る方法も謎、L
に見捨てられたら右も左も分からないのだ。
「どうしましょう・・・・・。それに、此処って」
「良かったら、着いて来ますか?」
項垂れるに、Lは何でも無い事の様に声を
掛けた。
「ちなみに、此処はドイツのホテルです」
「えええぇぇぇぇぇぇぇええええええ!」
予想外の出来事にビックリだ。
日本ですらなかったのだ。
「パスポート・・・・」
「大丈夫ですよ。」
Lがあまりに平然と言う物だから、はそのま
まナチュラルに頷いてしまっていた。
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あの後、ワタリさんの電話が終わると、部屋に業者が
やって来て、あっという間に部屋は空っぽになってい
た。
後は、、L、ワタリがこの部屋を出るだけに
なった。
「では、行きましょうか」
何だか、この数時間?どれぐらい寝ていたのか自分で
も分からないので、にはここにどれだけ居たのか
謎だったけれど、もう数日経った様なめまぐるしさだ
った。
最初にLが部屋を出て、次ぎにが、部屋を
出た。
次にワタリさんが・・・・。
それなのにが出た先は、自分の部屋だった。
あとがき
何だか、書いていて思ったのですが・・・いちいち行ったり帰ったりがめんどくさい
・・・ので、今回で自分の世界に帰るのは当分やめよう。
そう決めました!!忘れそうなのであとがきに。