気まぐれ旅行記02







「誰ですか?」

もう一度問われ、我に返る。


この場の現状だけを見れば、が完全な侵入者
であるのは間違いなかった。




「・・・・」




「・・・・・・・・・・」




お互いしばし無言で見詰め合うが、先にの我
慢の限界がやって来た。



「あーーーーーーー!もう訳わかんない!何なの!?
ここって私の家じゃないわけ!!!」




その場で頭を抱え込みウンウンとうなり始めてしま
う。



「ああ、貴方はここが自分の家だと勘違いしてここに
来たと・・・・」




一方此方の男も違う意味でウンウンうなっている。
こんな時な、男の世話役的存在のあの人がいたら現状
ももっとましだったかもしれない。

が、居ないものは仕方が無い。
どれだけこうしていたのかは分からないが、先に口を
開けたのはやはりだった。




「もうっ。いいここは私のうちじゃないけど、私が入
ったのは私の家。だから不法侵入じゃないし、私はこ
こに居ます!」




開き直りの発言だったが、意外にもその男はそうです
か何て納得している。



それに唖然としたのはの方だった。


簡単に納得するとは思わなかった。信じていないとは
思うけれど、納得してくれただけでも感謝だ。



「取りあえず、ここに居る間名前が無いのは不便です
よね。私の事は竜崎、もしくはLと呼んで下さい」




「ああ、Lさんですね・・・私は・・・」



(えっ?今何だかおかしな言葉を聞いた気がする・・・。
それに・・・この人よく見ればどっかで見
た事がある気が・・・・)





「どうかしましたか?」



Lが小首を傾げて聞いてきた。

その可愛らしいしぐさにのハートはかなりと
きめいた。キュートさにクラクラする。


「あの・・・。もしかして」

でも、ここは確かめる方が大事だ。


「Lさんって・・・探偵さんですか?」




「・・・はい、そうですが。私をご存知なんですか?」



疑惑の目をに向けてくるL。


まあ、それも可愛い。何て感じるの神経もか
なり怪しい。



「何となく・・・。雰囲気で言っただけです。あと、
聞いた事ある名前だなって」



「そうですか」


Lの返事はそれだけだったが、取りあえず
はもう此処が何処なのかはっきりわかった。



このLがコスプレマニアの不法侵入者でないな
ら・・・・・・此処はデスノートの世界だと。



「取りあえず、こっちに来たらどうですか?何もおも
てなしは出来ないですけど」


確かに、ワタリさんが居なさげな今、Lに家事が出来
るとは思わない。


取りあえず、は部屋の奥へと足を進めた。





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