気まぐれ旅行記01.2
朝目を覚ませば、そこは自分のベットの上で、昨日居
た男は跡形もなく消えていた。
もちろんベットだって自分の物のままだ。
「妄想・・・・・」
自分の妄想だったのだアレはきっと・・・。
脳内でそう結論をつけたは、一回深呼吸する
とベットから起き上がった。
今日は休日だしやる事もない。
相変わらずの自分の休日にげんなりするとひとつ溜め
息を吐き出した。
「まぁ。本屋で本買って、読書するのも悪くないでし
ょ」
まるで誰かに言い訳するように口にだすが、結局自分
に言い聞かせている様なモノだ。
普段、欲しい本のためならね自転車で色々な本屋を巡
って行く所だが、特に今ソレが有る訳では無いため、
やる気が殆んど無い。
行っても、本とのいい出会いが無ければ無駄足になっ
てしまう。
そんな事を考えている内に、着替えも終わり、だらだ
らと玄関へと向かう。
「いってきます!」
家の中に向かって声を掛けると、朝日が眩しい外へと
足を踏み出した。
−・・・・・・・・・−
数時間後。
結局色んな本屋を見て回ったが、収穫はたったの2冊。
まぁ。無理やりひねり出した欲しい本は中々面白そ
うだし、この後じっくり読む事にしよう。
足は疲れたし、ベットで読むのもいいかもしれない。
そんな計画を立て、浮上した気分に顔はほころぶ。
は、紙袋を抱えなおすと、玄関の扉に手を掛
け引っ張る。
そして何時も通り家の中へ。
「あーーーーーーー?」
変な声が出た。
でも、そんなの仕方が無い。誰だって部屋の内装が変
わっていたらそうなるに決ってる。
はそう決め付けて、もっと大変なモノへと目
をやった。
「誰ですか?」
「・・・。貴方こそ誰です?」
フフフフふふふふふ。
こんな事!おかしな笑いだって全員出るはずだ!
は今度こそ投げやりに心の中で叫ぶしかなか
った。
