考えるのはいつも貴方の事ばかり5










「ちょっ!マジデ喉詰りかけたんですけど!?」





冗談めかして怒鳴ってみるも、跡部は可笑しそうに笑って
いて、まったく答えている感じはなかった。




「そうだ、また彼女変えたんだって?」




が嫌そうに顔を歪め、跡部に突っかかる。


はとっても綺麗だ。
サラサラの黒い髪に、潤んだ瞳。
小さな可愛い顔の作り、背をすらっとしていて、強気で
美人。




最近になって気がついた事がある。






……いつもといると感じる視線。










跡部はを見ているの?


















あぁ嫌だ。
黒くて凄く嫌な感情が心を塗りつぶしていくみたいだ。




大好きな




愛してる跡部。






どうしよう……自分の考えている事が当たっていたら、
立ち直れないかも。



1人で考えに耽っている内に、跡部が前の席に座って
お重を広げ始めた。

一体何段重ねなんだ其れ?




「ぁぁん?見ててもやらねーぞ?」



「嫌、要らないし」


反射的に答えてしまう自分の口を慌てて閉じる。



「成る程……次ぎ弁当忘れてもおごりは無しでいいんだな?」


「イヤイヤイヤイヤイヤイヤ、それは困るよ!!」



本当に困る。

此処の学食は結構値段が張るし、忘れたら昼食が!!
宍戸とかにも頼めそうだけど、悪いしね!




「おい……口に出てるぞ」



「ギャ!!ウソだよ跡部様」


「チッ……其れが嘘だろ」











「あんた達……見てて飽きないわね」






「「何処が!!」」







重なった声にトキメイタのは私だけの秘密である。






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